「住宅ローン減税」は、借金で家を買ったときに、納税する税金を減らす制度です。
「住宅ローン控除」ともいいます。
「控除」とは?
控除(こうじょ)という言葉は普段あまり使いませんが、「金額を減らす」という意味です。
控除(こうじょ)とは、ある金額から一定の金額を差し引くことを指す。
控除とは何か、意味や種類まで徹底解説! | マネーフォワード クラウド
控除とは、差し引くことを意味する言葉です。
税金控除が適用されると、課税対象額が減ったり、税金そのものが減ったりします。
控除の種類は?
控除は、大きく「所得控除」と「税額控除」の2つにわけられます。
所得控除とは課税対象となる所得金額を減らせる制度です。所得控除額が多ければ多いほど課税所得額が減り、課税所得額が一定以上減るときは適用される所得税率が下がり、結果として所得税字体も減ります。
一方、税額控除は税金そのものを減らせる制度です。所得税を計算した後で税額控除を適用し、税額そのものが減額されます。
住宅ローン減税とは?
住宅ローン減税(住宅ローン控除)は、借金の利息を打ち消すための減税制度です。
借金の利息(金利)が高いと借金の返済で苦労しますが、その負担を軽減するための措置ですね。
住宅を購入する際にローンを組んだ場合に、そのローンの年末残高の1%をその年の所得税の額から差し引く減税措置です。
無理のない負担で居住ニーズに応じた住宅を確保することを促進するため、住宅ローンを借り入れて住宅の新築・取得又は増改築等をした場合、年末のローン残高の1%を所得税(一部、翌年の住民税)から、契約時期と入居時期に応じて最大13年間控除する制度です。
住宅ローン減税制度は、住宅ローンを借入れて住宅を取得する場合に、取得者の金利負担の軽減を図るための制度です。
毎年末の住宅ローン残高又は住宅の取得対価のうちいずれか少ない方の金額の1%が10年間に渡り所得税の額から控除されます(住宅の取得対価の計算においてはすまい給付金の額は控除されます)。
また、所得税からは控除しきれない場合には、住民税からも一部控除されます。
「住宅ローン控除」ってなに?どのくらいお金が戻るの?|VENT VERT CLUB【矢作地所株式会社】
入居時から10年間、所得税等が控除される制度
「住宅ローン控除」とは、住宅ローンを利用して住まいを購入した場合に、「年末時点での住宅ローンの残高の1%」が、入居時から10年間にわたって、給与などから納めた所得税や住民税から控除される制度のことをいいます。
「住宅ローン控除」または「住宅ローン減税」として知られる制度ですが、正式には「住宅借入金特別控除」といいます。
「住宅ローン控除」の適用を受けるには、初年度に「確定申告」が必要
「住宅ローン控除」の適用を受けるためには、「入居した翌年の3月15日まで」の間に確定申告をする必要があります。
Aさんのような会社員(給与所得者)の場合、2年目以降は確定申告をしなくても、勤務先の年末調整で手続きができます。
2年目以降は、10月下旬頃に手元に届く税務署からの「年末調整のための住宅借入金等控除証明書」と、金融機関からの「残高証明書」を勤務先に提出することで、確定申告をする必要がなくなります。
住宅ローン等を利用しない場合であっても、個人が既存住宅について一定の要件を満たす
①住宅耐震改修をしたとき、
②バリアフリー改修工事や省エネ改修工事、多世帯同居改修工事、耐久性向上改修工事(住宅耐震改修や省エネ改修工事を併せて行うものに限ります。)をしたとき
又は
③認定住宅の新築等をしたとき
は、それぞれ所定の方法で計算した金額を、その年分の所得税額から控除する「住宅耐震改修特別控除」、「住宅特定改修特別税額控除」又は「認定住宅新築等特別税額控除」の適用を受けることができます。
住宅ローン控除は、耐震工事などのリフォームでも適用できるそうなので、中古住宅の場合も条件を調べてみる価値があります。
「住宅ローン減税」と「繰上返済」の比較
借金を返済するとき、「繰上返済」も考慮する必要があります。
繰上返済とは?
繰上返済とは(期間短縮型・返済額軽減型)|住宅ローンを選ぼう - ノムコムの住宅ローン
繰上返済とは、毎月の返済とは別に、借入額の一部(あるいは全額)を返済することを言います。
繰上返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」があります。
期間短縮型
「期間短縮型」で繰上返済をした場合は、毎月の返済額等は変わりませんが、返済期間が短くなるため、短縮された期間に支払う予定だった利息が軽減されます。
同じ時期に同じ金額を繰上返済した場合、利息軽減効果は「返済額軽減型」よりも大きくなります。
返済額軽減型
「返済額軽減型」は、返済期間は変わらずに毎月の返済額を引き下げるものです。
同額の繰上返済をしたときの利息軽減効果は「期間短縮型」の方が大きくなりますが、実質的に毎月の返済額が下がるため、教育資金がかかる、妻が仕事をやめて収入が減るなど、将来的に住宅ローンの負担が大きくなることが予想されるときに、家計を安定させるのに効果的です。
Q. 住宅ローン減税と繰上返済、どちらを優先させた方がいいですか?
金利が高いほど繰上返済を優先させる方が効果的
金利が高い場合、つまり利息が高い場合は、早く借金を返済した方がお得になります。
利息が低い場合は、借りておく方がお得になるんですね。
しっかり計算して、損益分岐点を把握しておく必要があります。